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AISSについて②~2020年軸馬カテゴリ別成績~

 先日twitterにて、

このようなツイートをしましたが、これはウマい馬券の買目でレース番号別の成績を調べたものです。

競馬場別や月別の成績などがどんなものなのか、現行AIモデル(2021年5月より運用しているもの)での精度を測る意味で集計をすることにしました。

ウマい馬券の買目ですと、三連単なども含むため、1回の当たりが成績に大きく影響する可能性があるため、今回はシンプルに本命馬の単勝と複勝の成績で精度を測ります

対象データは2020年の全レースです。

中央・地方それぞれ集計していますが、カテゴリによっては中央のみのものもあります。

※地方は「ばんえい競馬(帯広)」除く

注意

こちらのデータは実績値ではなくあくまでシミュレーション値となります。今後も同様の傾向が続くと思われますが確実になるとは言い切れませんのであらかじめご了承ください。

本命馬単勝別オッズ帯別

<中央>

中央_2020_1オッズ帯別

極端な穴馬だと成績は悪いですが、中穴の成績は良好ですね。

<地方>

地方_2020_1オッズ帯別

地方では基本的に本命馬の単勝オッズが低いのでオッズ帯の基準を変えています。

こちらも回収率の観点では、穴馬の方がやはり良さそうです。

自信度別

<中央>

中央_2020_2自信度別

「自信度」とはウマい馬券での予想に際して、本命馬の予測数値を元に定めたものです。

シミュレーションにおいて、自信度Sは穴馬本命が比較的多いため的中率が低いですがその分回収率が高めです。

ただし、自信度AとBでは明らかに自信度Bの方が総合的な成績が良いので、単純に「本命馬の成績」という意味では自信度の選定基準見直しを検討したいです。

<地方>

地方_2020_2自信度別

地方では、自信度Cはありません。

こちらも、中央と似たような傾向ですね。

レースクラス別

<中央>

中央_2020_3レースクラス別

新馬戦は、予測に使用できるデータが少ないこともあり、成績は苦戦しています。

また、重賞(特にG1)に関してはデータ数が少ないためか上記の数値の信頼性はそこまで高くなさそうです。

条件戦の成績が一番安定している気がします。

<地方>

レースクラスが定まらないため集計していません。

トラック別

<中央>

中央_2020_4レーストラック別

障害レースはデータ数が少ないためやや安定性に欠けますが、芝/ダート間で回収率の差はなさそうです。

ダートの方が的中率が高いのは、おそらく芝のフルゲート数18に対し、ダートのフルゲート数16と少ないためだと思われます。

<地方>

地方では、盛岡競馬場を除きすべて「ダート」なので集計をしていません。

開催場所別

<中央>

中央_2020_5開催場所別

京都・中山・小倉あたりは得意なのかな、と思っていましたがそこまでですね。。。

同じ開催場所でも、単勝と複勝で差があるところが多いため、馬券の買目によって成績が左右されそうです。

<地方>

地方_2020_3開催場所別

地方では、開催場所によりフルゲート数が大きく異なる場合があるので、それが主に的中率の差へつながっています。

曜日別

<中央>

中央_2020_6曜日別

「その他」は不規則開催(月・火・金)の場合で合計130レースほどです。

結果を見ると、日曜日の方が若干回収率が良いかな?といった感じです。

<地方>

地方_2020_4曜日別

地方は毎日開催されていますが、曜日別の成績差はなさそうです。

月別

<中央>

中央_2020_7月別

月別成績は、開催場所や2歳戦の有無などに影響を受けます。

実際、ローカル開催や2歳戦が多い8,9月はやや成績が落ち込んでいます。

ただし、年によって月別の開催状況が変更されるので参考程度に確認しておくのが良さそうです。

<地方>

地方_2020_5月別

中央ほど月別の成績差はないように感じます。

レース番号別

<中央>

中央_2020_8レース番号別

明らかに5,6レースの的中率が低いです。

これは新馬戦が多く組まれているためだと思われます。

その他のレース番号での集計結果は目に見えて異なるといったことはなく、冒頭のツイートのような、

「ウマい馬券用の買目」で集計したときほどの1レース目のインパクトは正直ありません。

<地方>

地方_2020_6レース番号別

全体的にレース番号が若い方が的中率が高いです。

競馬場/日程によっては、11R,12Rを施行しないときもあり、後半のレースは重賞などメイン競争が多いため頭数が集まりやすいためなのではないかと思います。

馬場状態別

<中央>

中央_2020_9レース番号別

これは自分の中では結構驚きの結果です。

といいますのも、競馬AI開発ブログ第6回でも触れているように、

AISSでは「馬場状態・天気」を特徴量として使用していない(事前予想ではそもそも使えない)ためです。

「重・不良」のデータ数自体はそこまで多くないので結果を鵜呑みにするのは危険ですが、

今後も馬場状態別の成績に期待していきたいです。

<地方>

地方_2020_7馬場状態別

中央と異なり、「重・不良」の成績がいまひとつです。

逆に、「良」「稍重」で単勝回収率100%をどちらも超えているのでまずまずかなと思います。

頭数別

<中央>

中央_2020_10頭数別

頭数別では案の定、的中率に大きく影響しています。

ただし、回収率に関しては特に複勝では大きなばらつきがあるわけではないので、頭数少な目のレースでは軸馬からの少点数買目で仕留めていけると良いです。

<地方>

地方_2020_8頭数別

地方はフルゲート数最大が16で、比較的堅い決着が多いため、的中率は全体的に中央と比較して高いです。

単勝回収率は頭数関係なくなかなか良好ですね。

まとめ

今回は、本命馬予測精度(単勝・複勝の成績)を、

  • 単勝オッズ帯別
  • 自信度別
  • レースクラス別
  • トラック別
  • 開催場所別
  • 曜日別
  • 月別
  • レース番号別
  • 馬場状態別
  • 頭数別

で集計してみました。

今後、なるべくどのカテゴリでも良好な成績となるような精度改善していくために、現状把握ができて良かったです。

今回の集計はシミュレーションによるものなので、ある程度現状モデルの実運用データがたまってきたら、

実績値での集計結果も公開していきたいと思います。

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